体を作る栄養素として有名なたんぱく質。
最近ではプロテインを飲む人が増えたり、霜降りより赤身のステーキが人気になったりしていますよね。
ダイエットでも、糖質の代わりに摂るおすすめの栄養素としてよく紹介されています。
でも、たんぱく質が具体的にどういう物なのかとか、体の中でどのように役立っているのかとか、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか?
今回は、たんぱく質の基本からおすすめの食べ方まで、たんぱく質について一通りまとめてみました。
なぜたんぱく質をしっかり摂らないといけないのか、たんぱく質の何が良いのか、一緒に学んでいきましょう!
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たんぱく質とは
三大栄養素の1つ
たんぱく質は炭水化物(糖質)や脂質と並んで、人が生きるために特に重要な三大栄養素の1つです。
三大栄養素はどれもが活動するためのエネルギー源になる他、脂質は細胞膜やホルモンの材料に、たんぱく質は筋肉や内臓、ホルモンの材料になります。
たんぱく質は糖質や脂質に比べるとあまりエネルギー源にはならず、体の材料になる事がメインの役割です。
体の20%を占める大事な成分
体の約60%は水分と言われていますが、水分に次いで多いのがたんぱく質です。
筋肉や内臓、血液や皮膚、さらには酵素やホルモンまで、たんぱく質は色々なものの材料になっていて、体重の約20%を占めています。
そのためたんぱく質が不足してしまうと、筋肉が減って運動機能や基礎代謝が減ったり、体力や免疫力が弱くなってしまったりします。
特に赤ちゃんや子供は、体がちゃんと作られず成長障害を起こす可能性があるので、たんぱく質を摂る事はとても大切です。
アミノ酸がたくさんつながってできている
そんなたんぱく質ですが、「たんぱく質」という1つの物質があるわけではありません。
たんぱく質はとてもたくさんのアミノ酸がつながってできた高分子化合物の総称で、含まれているアミノ酸によって色々な種類があります。
髪の主成分であるケラチンや、ぷるぷるのコラーゲンもたんぱく質の一種です。
人の体内では20種類のアミノ酸がそれ単体で働いたり、たんぱく質に合成されて体の材料になったりしています。
20種類の内、体の中で作れるアミノ酸は11種類だけです。
残りの9種類は必須アミノ酸と呼ばれていて、食べ物から摂取しなくてはいけません。
必須アミノ酸 |
●イソロイシン ●ロイシン ●リジン ●メチオニン ●フェニルアラニン ●スレオニン (トレオニン) ●トリプトファン ●バリン ●ヒスチジン |
非必須アミノ酸 |
●チロシン ●システイン ●アスパラギン酸 ●アスパラギン ●セリン ●グルタミン酸 ●グルタミン ●プロリン ●グリシン ●アラニン ●アルギニン |
必須アミノ酸は9種類全てをバランス良く摂ることが大切です。
1つでも少ないものがあると、その一番少ないアミノ酸に合わせた分しかたんぱく質を作ってくれないのです。
どの食品に必須アミノ酸がバランス良く含まれているかは、アミノ酸スコアという数値で表されています。
お肉やお魚、卵や大豆、お野菜に穀物など、色々な食べ物を食べて色々な種類のたんぱく質を摂りましょう。
たんぱく質の働き
新しい体へと作り替える
食事から摂取したたんぱく質は、アミノ酸に分解されて吸収された後、再びたんぱく質に再合成されて体の材料になります。
目に見えて伸びてる髪の毛や爪はもちろん、筋肉や内臓なども同じです。
日々古い物が分解され、新しい物が作られています。
新しい物へと入れ替わる早さは各部位によってバラバラで、心臓周りのように一生かけてもほぼ変わらないものもあれば、骨のように数年かけて入れ替わるもの、肌のように数日単位でポロポロ入れ替わるものもあります。
「体は食べたものでできている」とはよく言われますが、まさにその通りですね。
酵素やホルモンになって体の機能を整える
たんぱく質が材料になっているのは体だけではありません。
体の機能を整える酵素やホルモンも、たんぱく質から作られています。
酵素は体の中で起きる化学反応をしっかりと引き起こすために必要な触媒で、体の中には約5,000種類もの酵素があると言われています。
1種類につき1つの働きを担当しており、脂肪を分解する酵素は糖質を分解できません。
ホルモンは体の健康を保つために色々な機能を調整しているもので、体の中には100種類以上あると言われています。
血糖値や体温を一定に保っているのも、ホルモンがそれぞれの機能に「上げなさい」「下げなさい」といった命令を伝えて調節しているからです。
酵素にしてもホルモンにしても、不足すると体の機能が十分に発揮されず、体の調子を崩してしまいます。
だからこれらの材料になるたんぱく質はしっかりと摂らないといけません。
たんぱく質を摂ると体が温まる
たんぱく質には材料となる以外にも嬉しい効果があります。
人は食べ物を消化するときにもエネルギーを消費するのですが、たんぱく質は消化の時に使うエネルギーの量が多いのです。
そのため糖質や脂質に比べて吸収されるエネルギー量、つまりは摂取カロリーが少なくなります。
また、使われたエネルギーは熱となって出ていくため、食事の後にポカポカと体が温まりやすく、体が冷えやすい人にはおすすめです。

たんぱく質と食事
1日に必要なたんぱく質の量
成人が1日で摂取すべきたんぱく質の推奨量は、50g~60gとされています。
基本的には体重1kgあたり1gのたんぱく質が必要と考えて良いので、体重60kgの人なら60g摂るのが理想ということです。
ただし、運動をすると筋肉の作り替えが促進されるので、肉体労働をしている人やアスリートなど、体を動かす習慣がある人は、運動量に合わせて1.2~2倍のたんぱく質を摂らなくてはなりません。
また、妊娠中はおなかの中で赤ちゃんが急成長しているので、妊娠中期はさらに+5g、後期では+25gが推奨されています。
目標量を摂って高齢期の生活習慣病を予防
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、推奨量の他に目標量というものが設定されています。
推奨量がたんぱく質の摂取不足を防げる程度の量なのに対して、目標量は「生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)」と定義されている量です。
たんぱく質の摂取不足と強く関係していると言われている疾患に、高齢者のフレイルとサルコペニアがあります。
フレイルは健常者と要介護者の中間に位置する状態で、frailty(虚弱)という言葉の通り、体をキビキビと動かせなくなったり、疲れやすくなってしまいます。
サルコペニアは全身の筋肉が減少することで、うまく歩けず転びやすくなり、その結果要介護の状態になりやすくなってしまいます。
目標量のたんぱく質を摂ることでこれらの疾患を予防することができるのですが、その量が男性で約100g、女性で約80gと推奨量のおおよそ1.7倍です。
たんぱく質をたくさん摂って筋肉の減少を抑え、健康に過ごせる時間を延ばしましょう!
たんぱく質が多い食材
たんぱく質が多い食材にはお肉やお魚、卵、乳製品の他に、大豆や穀物があります。
実はたんぱく質自体は様々な食材に含まれているので、3食で色々な食材をしっかり食べていれば、たんぱく質不足になることは早々ありません。
お肉やお魚には100gあたり20g位のたんぱく質が含まれているので、3食で60gは軽く達成できますし、ご飯1杯(150g)にも4g程度のたんぱく質が含まれています。
注意しないといけないのは、3食カップ麺だけとか、朝食を抜くとか、ご飯とふりかけだけで簡単に済ませるといったように、そもそも食べる食材の種類が少ない場合です。
カップ麺に含まれるたんぱく質は10g程度なので、3食カップ麺だと1日の推奨量の半分しか摂ることができません。
特に運動習慣がある人がこの状態だとかなり大変で、3食食べてるのに筋肉が減ってヒョロヒョロになるなんて事もありえます。
具体的にどの食材にどのくらいのたんぱく質が含まれているか知りたい時は、文部科学省の「日本食品標準成分表」がオススメです。
ただし、この成分表に書かれているたんぱく質は食材100gあたりの量であることに注意しなければなりません。
たとえば、主食のお米やメインのお肉などは100gより多く食べる事が多いでしょうし、反対に納豆は1パック100gも入ってないですよね。
実際の食事に直したときにどれくらいのたんぱく質を摂れているか、考えながら見ると良いですよ。
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質
食事で摂れるたんぱく質には、お肉やお魚、卵、乳製品に含まれている動物性たんぱく質と、大豆や穀物に含まれている植物性たんぱく質があります。
動物性たんぱく質は同時に脂質を摂る量も増えるので、植物性たんぱく質に比べて高カロリーになりがちです。
しかし動物性には植物性には含まれていない種類の必須アミノ酸が含まれており、体に吸収されやすいという良い点もあります。
なんにせよ、動物性も植物性も両方バランス良く摂ることが大事というわけです。

ビタミンB群と一緒に摂るのがおすすめ
食べたたんぱく質を分解してアミノ酸にしたり、アミノ酸からたんぱく質へ再合成するためには、ビタミンB6やビタミンB12といったビタミンB群が必要不可欠です。
ビタミンB6は鶏のささみやマグロの赤身の他、にんにくやごまなど色々な食材に含まれています。
そのため比較的摂りやすいのですが、熱に弱い上に水に溶けるので、生で食べるのがおすすめです。
ビタミンB12はシジミやアサリ、カキといった貝やレバーに多く含まれています。
こちらは熱には強いのですが、煮ると溶け出てしまうので、汁ごと食べるスープがおすすめです。
うまく食事に取り入れて、たんぱく質の効果を最大限に発揮しましょう!
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