糖質制限や脂質制限など、食事管理によるダイエット法は本当にたくさんありますよね。
でも最初の頃は、どの食材にどんな栄養素が入ってるかなんて分からないし、調べるのも面倒くさいし、実は間違ったやり方をしていたなんて事もあったりします。
そうなるとダイエットの効果を実感しにくいし、モチベーションも続きません。
なので、まずはダイエットの効果をその身で実感できるように、簡単な方法から始めてみましょう!
その簡単な方法が「砂糖入り飲料をやめること」です。
今回は、甘いジュースを飲む事がどれだけダイエットの妨げになるかという事と、その対策について紹介していきます。
コンビニや自動販売機でついついジュースを買ってしまうという方は要チェックです。
砂糖入り飲料がダメな理由
砂糖がたっぷりなジュースをやめるべき理由は次の2つです。
- 摂取効率が良すぎる
- フルクトースが糖質中毒を引き起こす
摂取効率が良すぎる

500mlのジュースには40〜50gくらいの糖質が含まれています。
ご飯一杯(150g)に含まれている糖質が約55gなので、ほぼ同じですね。
しかし、ジュースの砂糖とご飯のでんぷんでは、食べてから吸収されるまでの早さが違います。
砂糖はその構造上、とても消化・吸収されやすい食材です。
砂糖の主成分はショ糖という二糖類なので、1回分解するだけで簡単に最小の単糖類まで分解できてしまいます。
そのため食べてすぐにエネルギーになり、余った分は脂肪として蓄えられる事になります。
また、全く噛まない飲料という点も、摂取効率の良さに拍車をかけています。
ご飯だと噛んで食べるので飲み込むまでに時間がかかりますし、飲み込んでから消化・吸収する時間もゆっくりです。
しかしジュースなどの砂糖入り飲料は一切噛む事が無く、飲み込んでから消化されるまでも早いので、短時間に大量の糖が吸収される事になってしまいます。
この「短時間に」「大量の糖」というのが厄介なポイントです。
本来なら、糖を吸収して血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されて、血液中の余分な糖を処理してくれます。
処理された糖はまずグリコーゲンに変えられて肝臓や筋肉に保管され、それでも余った糖が中性脂肪になって蓄えられるという仕組みです。

しかし、短時間に大量の糖が吸収されてしまうとインスリンの処理能力を越えてしまい、肝臓や筋肉へ取り込む量が減ってしまいます。
その結果、余った大量の糖はどんどん脂肪細胞へ回され、中性脂肪として蓄えられてしまうのです。
ジュースを毎日のように飲んでる人や、ひと口でゴクゴクとがぶ飲みする人は、脂肪が付きやすくなってるかもしれないので気を付けましょう。
フルクトースが糖質中毒を引き起こす
砂糖入り飲料がダイエットに良くない理由の2つ目は、フルクトースという甘味成分にあります。
砂糖の主成分であるショ糖は、グルコースとフルクトースという2つの単糖類が結合してできた二糖類です。
グルコースもフルクトースも甘味の素なのですが、フルクトースはグルコースの2倍以上の甘味を持っていて、自然界で最も甘い糖と言われています。

このフルクトース、厄介な事に食欲を高めてしまう効果を持っているのです。
グルコースの場合、摂取すると食欲を抑えるホルモンが増え、食欲促進ホルモンは減ります。
つまり満腹感を覚えて、食欲にブレーキがかかるのです。
しかし、フルクトースの場合は逆で、食欲抑制ホルモンが減り、食欲促進ホルモンが増えてしまいます。
その結果「もっと食べたい」と食欲がかき立てられ、次々と甘い物に手を伸ばしてしまいます。
よく「甘い物は別腹」と言いますが、それはフルクトースによって食欲が高まってしまうからなんですね。
こうした事から、フルクトースには「糖質中毒」を起こす中毒性があるという指摘もされています。

ジュースによく入っている果糖ブドウ糖液糖とは、グルコース(=ブドウ糖)の一部を人工的にフルクトース(=果糖)に変化させ、より甘味を感じやすくしたシロップです。
砂糖ではグルコースとフルクトースが同じ量であるのに対して、果糖ブドウ糖液糖ではグルコースよりフルクトースの方が多く含まれています。
つまりそれだけ糖質中毒になりやすく、太りやすいという事です。
砂糖入り飲料をやめればどれだけダイエットの助けになるか、分かってもらえたと思います。
砂糖入り飲料をやめるために
まずは人工甘味料などにシフトしよう
砂糖入り飲料をやめるのが良い事は分かりましたが、既に糖質中毒でジュースを手放せなくなってる場合、いきなりスッパリやめるとストレスがかかってしまいます。
なので、まずは甘味を感じながらも低カロリーな人工甘味料にシフトして、段階的に砂糖離れをしていくのがおすすめです。
人工甘味料は砂糖の数百倍の甘さを持ちながら、カロリーが圧倒的に少ないという特徴があります。
「カロリーオフ」や「ゼロカロリー」と書かれたジュースなどによく使われていますね。
ただし、大量に摂取すると他の健康被害が出るという報告もあるので、あくまでも砂糖を完全に断つまでのつなぎとして、少量を飲むようにしましょう。
また、オリゴ糖などの少糖類もおすすめです。
少糖類は、ほのかな甘味を持ちながらも体内で消化されにくいという特徴があるので、砂糖断ちまでの中間に摂るには丁度良いですよ。
水や緑茶、コーヒーを飲もう

砂糖離れが進んできたら、最終的には全く砂糖が含まれていない水や緑茶を飲むようにしましょう。
水は栄養素としての働きは無いものの、人が生きるためには必要不可欠なものです。
人体の60%は水分でできており、血液や体液となって酸素や栄養素の運搬をしたり、余分な物を排出したりするのに使われます。
それだけでなく、たんぱく質の合成やエネルギーの生産といった代謝でも水分が使われるので、水分をしっかり摂ることは肥満の防止にもつながるのです。
また、緑茶やブラックコーヒーも太らない飲み物としてよく話題に上がります。
緑茶のダイエット効果は、エピガロカテキンガレート(EGCG)というポリフェノールによるものです。
ポリフェノールとは植物が持っている苦味や渋味の成分の事で、EGCGを摂ると小腸での脂質の吸収を抑える効果があります。
また、緑茶にはカフェインも含まれているため、カフェインとカテキンを同時に摂ることにより交感神経が活性化し、脂肪の酸化やエネルギーの消費量が高まります。
1日あたり500mlの緑茶を3ヶ月飲み続けるとダイエット効果が見込めるという研究報告もあるほどです。
コーヒーのダイエット効果についてはまだまだ研究の途中という段階みたいですが、最近の研究ではダイエット効果有りという意見の方が優勢なようです。
特にクロロゲン酸という成分には、内臓脂肪を減らしたり、グルコースの吸収を減らすといった効果があることが、動物実験により分かっています。
もちろん、砂糖を入れてしまえば意味が無いので、コーヒーを飲むときはブラックやミルクのみで楽しむようにしましょう。
水筒やウォーターサーバーを活用しよう

ジュースを買おうと思うのは、どんな時でしょうか?
大抵の場合、次の2つのパターンになると思います。
- 外出中、手元に飲み物が無いとき
- 家に飲み物のストックが無いとき
「あぁ、のどが渇いたなぁ」となった時に手元にすぐ飲める物があれば、わざわざジュースを買おうとは思わないはずです。
そのため、例えば「外出時は必ず水筒を持っていく」「家や事務所にウォーターサーバーを設置していつでも飲める環境にする」といった事で衝動的なジュースの購入を防ぐことができます。
自分の意思だけでは我慢出来ないという人は、習慣や環境を変えることで、自然とジュースを飲まない生活にしていくと良いですよ。
まとめ
ダイエットのために砂糖入り飲料をやめる理由と、やめるための工夫をご紹介しました。
砂糖入り飲料はご飯よりも糖質の吸収効率が良く、さらに甘いフルクトースが食欲を促進させてもっともっとと食べたくなってしまうため、ダイエットする際には避けるべき飲み物です。
しかし、突然きっぱり断ち切ってしまうと、糖質中毒になっている脳がストレスを感じて辛いダイエットになってしまうため、まずはカロリーの少ない人工甘味料やオリゴ糖などにシフトして、少しずつ砂糖離れをしていきましょう。
最終的には砂糖が全く入ってない水やお茶、コーヒーを飲むようにし、水筒やウォーターサーバーを活用してジュースを買う必要がない環境を整えてあげれば完璧です。
砂糖入り飲料を飲むのをやめて、ダイエットの最初の一歩を踏み出しましょう!