「体重はそれほど重くないのに、なんか太って見えるなぁ..」なんて思ったことはありませんか?
ダイエットでは体重に目が行きがちですが、最終的には見た目もスリムになりたいですよね。
しかし、体重が同じでも人によって見た目は様々。
シュッと引き締まってスリムな人もいれば、ふくよかに見える人もいます。
この差は何から生まれるのでしょうか?
今回は、標準体重なのに太って見える2つの理由とその対策について紹介していきますよ。
BMIと標準体重
肥満度を知るために世界で広く使われている指標として、BMIがあります。
BMIは体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]で計算出来る値で、18.5以下だと低体重、18.5~25だと普通体重、25以上だと肥満です。
そして普通体重の中でも、BMIが22の時の体重が統計的に最も病気になりにくいとされていて、この時の体重を標準体重といいます。
標準体重=22×身長[m]×身長[m]
でも、標準体重=スリムな体型になるとは限りません。
どうしてこのような差が生まれてしまうのでしょうか?
標準体重なのに太って見える理由
標準体重なのに太って見える理由には次の2つのパターンが考えられます。
- 体脂肪率が原因
- 水が原因
①体脂肪率が原因
BMIは身長と体重だけで計算する方法なので、体脂肪率や筋肉量が考慮されていません。
簡単に肥満度を知れるのは良い所なのですが、見た目には全く関係していないのです。
そこで問題になってくるのが、筋肉と脂肪の密度の違いです。
筋肉の密度は約1.1kg/Lで水に沈み、脂肪の密度は約0.9kg/Lで水に浮きます。
つまり、筋肉の方がギュッと詰まっており、同じ重さでも小さく見えるのです。

例えば、身長160cmの人の標準体重は22×1.6×1.6=56.3kgです。
ここで、体脂肪率が20%の人と40%の人の体積をざっくり計算してみましょう。
・体脂肪率20%の場合
脂肪の重さ=56.3×0.2=11.2kg
脂肪以外の重さ=45.1kg
脂肪の体積=11.2/0.9=12.4L
脂肪以外の体積=45.1/1.1=41L
体全部の体積=53.4L
・体脂肪率40%の場合
脂肪の重さ=56.3×0.4=22.5kg
脂肪以外の重さ=33.8kg
脂肪の体積=22.5/0.9=25L
脂肪以外の体積=33.8/1.1=30.7L
体全部の体積=55.7L
体重が同じ56.3kgでも、体脂肪率が20%と40%では、なんと体積が2.3Lも違うということが分かりました。
体脂肪率が大きいと、2Lペットボトル1本分以上見た目が大きく見えるということです。
標準体重なのに見た目が太って見えるという人は、体脂肪率が計れる体重計を使って、体脂肪率を調べてみましょう。

対策:しっかり食べて筋肉を増やし、体脂肪率を下げる
体脂肪率が原因の時は、食事改善や運動で順当にダイエットし、脂肪を落としましょう。
その時に大切なのは、筋トレもして筋肉量を増やすこと。
BMI的には標準体重に入っているので、脂肪を落とすだけだとヒョロヒョロの痩せすぎになってしまいます。
つまり、標準体重なのに見た目が太っている人は、脂肪が多いだけで無く脂肪以外の部分が少なすぎるのです。
これを解消するためには、筋肉の材料になるたんぱく質を中心に低カロリーなご飯をしっかり食べて、体作りをすることから始めましょう。
また、筋肉を増やせば消費カロリーの元となる基礎代謝量・活動代謝量・食事誘発性熱産生の3つ全てを上げる事が出来るので、脂肪が落ちやすい体を作る事ができますよ。
②水が原因

標準体重で体脂肪率も高くないのに見た目が太って見えるという場合は、体内の水が原因かもしれません。
水が原因で起きる見た目の変化といえば、むくみです。
むくみとは血管から染み出た水分が皮膚の下に溜まっている状態を指します。
長時間座ったまま仕事をすると足が膨らんで靴下の跡がハッキリ付いたり、朝起きたら顔がパンパンになってたりするのは、水が皮膚下の細胞と細胞の間に溜まってむくんでいるからです。
では、なぜ水が溜まってしまうのでしょうか?
体内の水分は通常、血流によって全身を回っており、体の各場所では血管と細胞との間で水のやりとりが行われています。
そのため、何らかの原因で血液の流れが悪くなってしまうと、水が血管の中へ出て行かず、皮膚下に溜まってしまうのです。
特に足は重力の影響で血液が上がって行きづらく、溜まった水のせいで足が冷えて血管が縮み、更に血流が悪くなるという悪循環に陥りやすいです。
また、塩分の摂りすぎもむくみの原因になります。
体には塩分濃度を一定に保とうとする働きがあるので、塩分を摂り過ぎるとそれを薄めるために水分を溜め込みやすくなるのです。
対策:塩分を減らしてカリウムを摂り、体を温める
むくみを解消させるためには、まず第一に血流を良くすること、そして塩分を摂り過ぎないことが大切です。
手っ取り早く血流を良くしたいなら、体を温めることが効果的。
お風呂に浸かったり辛い物を食べたりして体が温まると、血管が広がって血流が良くなります。
また、もっと恒常的に普段から血流を良くしたいなら筋力アップがおすすめです。
足の筋肉は血液を押し上げるポンプの役割も持っており、その大切さは「第2の心臓」と呼ばれるほど。
さらに筋肉が増えると消費したエネルギーから熱が生まれやすいので、体を温めることにもつながりますよ。
塩分は摂りすぎを控えるのが一番ですが、飲み会などで摂りすぎてしまった場合は、カリウムを意識して摂るとむくみを防ぐことができます。
カリウムには摂りすぎた塩分(ナトリウム)を尿として出させる効果があるので、塩分を薄めるために水分をため込む必要が無くなるのです。
カリウムはひじきやアボカド、ほうれん草などに多く含まれていますが、ほとんどの食品に含まれているので、不足することはまずありません。
塩分を摂り過ぎた場合に、ちょっと意識して摂るくらいで十分です。
それよりも、お出汁や香辛料をうまく使って、塩分を摂り過ぎないように心がけましょう。
まとめ
標準体重なのに太って見える理由2パターンと、その対策について紹介してきました。
【パターン①:体脂肪率が原因】
脂肪の密度が低いので同じ体重でも太って見える
対策:しっかり食べて筋肉を増やし、体脂肪率を下げる
【パターン②:水が原因】
体内の水が皮膚下に溜まってむくんでいる
対策:塩分を減らしてカリウムを摂り、体を温める
どちらのパターンにも効く方法が、筋肉を増やすことです。
脂肪を減らす事ばかりに注目していると、脂肪以外の筋肉なども減って、結果として脂肪が減りにくくなったり、むくみやすい体になってしまいます。
10分程度でも良いので、まずはスクワットから始めて、筋肉を増やす習慣を付けていきましょう