あなたはここ最近食べた物を全て覚えていますか?
3食ならなんとか覚えているかもしれませんが、作業中につまんだものや、テレビを見ながら食べたおやつなど、無意識に口にした物まで全て覚えるのは難しいと思います。
レコーディングダイエットとは、そんな無意識の食事も含めて食べた物を全て記録するというダイエット方法です。
用意する物は記録するための道具だけ。
厳しい食事制限もハードな運動もしないので、誰でもすぐに始めやすいダイエット方法です。
ではなぜ、食べた物を記録するだけでダイエットが出来るのでしょうか?
今回はレコーディングダイエットの効果とやり方に加えて、失敗しないために押さえておきたいポイントも合わせて紹介していきますよ。
【レコーディングダイエットはこんな人におすすめ!】
- マメで記録を取るのが楽しいと感じる人
- ダイエットしてもイマイチ結果が出ない人
- 食事習慣を改善したい人
- 食べ物のカロリーについて詳しくなりたい人
レコーディングダイエットの効果
口にした物を記録するだけというとてもシンプルなレコーディングダイエット。
記録する事がダイエットにつながるその理由は、今の食生活に対する気付きと食に対する意識の変化にあります。
それではレコーディングダイエットをするとどんな良い事があるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。
①やせなかった原因が分かる
太る原因が食生活にあると分かっていても、自分が食べた物を完璧に把握している人はほとんどいません。
3食のご飯には気を付けていても、突発的な買い食いや何かのお供に摘まんでいるおやつ等には、なかなか目がいかないものです。
食べた物を逐一記録していくと、自分が「いつ」「何を」「どれ位」口にしたのかが目に見えて分かるようになります。
「最近まったく野菜を食べてない…」とか「こんなにジュースを飲んでたんだ…」といったように、今までやせられなかった原因がひと目で分かるようになりますよ。
②食事管理ついて詳しくなる
食べ物に対して「何となく健康そう」「何となく太りそう」というイメージはあっても、それが本当に太る食べ物なのかは調べてみないと分かりません。
例えば、和食は健康そうな食べ物の代表格ですが、料理によっては砂糖と塩がたっぷり使われていたりもします。
記録を続けていくとそうした知識が蓄積されていくので、ダイエットに適した食べ物が分かるようになってきます。
自分自身のデータが元になっているので、説得力も段違いです。
③自制心が身につく
食べ物の知識が付いてくると、特別ダイエットを意識しなくても、自然と食べる物に気を付けるようになってきます。
人の行動は嫌なものを避ける方へと寄って行くものです。
今までは太るかどうかぼんやりとしか分かってなかったので、美味しそうな物を見ると「食べたい!」という意識が優先されていましたが、カロリー量などを知っていると思考にブレーキがかかるようになってきます。
つまり「美味しい物食べたい! > もしかしたら太るかも..」という意識だったのが「このカロリーは絶対太る!! > 美味しい物食べたい」という意識に逆転するのです。
その結果、自制心が身についてむやみやたらに食べ物を口に運ばなくなってきます。
我慢するのではなく自然と避けるように考え方が変わってくるので、ストレスにならないのがポイントです。
レコーディングダイエットのやり方
それではレコーディングダイエットをどういう手順で進めていけば良いのか、具体的に見ていきましょう。
- 記録する方法を選ぶ
- まずは1週間、口にした物全てを記録する
- 慣れてきたらカロリーや栄養素も調べる
記録する方法を選ぶ

レコーディングダイエットでまず始めにすることは、自分に合った記録方法を選ぶことです。
レコーディングダイエットの一番の難関は、記録が面倒くさ過ぎてなかなか続かないこと。
「ちゃんと書かなきゃ..」と義務のようにとらえてしまうと、絶対に疲れてしまって途中でやめてしまいます。
記録することが楽しく思えるように、一番ストレスが無い記録方法を選ぶことが重要です。
記録というとメモに手書きが一般的ですぐに思いつきますが、最近は便利なアプリも増えて手軽に記録できるようになってきました。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、1つがダメでも諦めずに色々試してみましょう。
手書きメモ | 【メリット】 書き足しやすい 【デメリット】 手帳とペンを持ち歩かないといけない |
写真 | 【メリット】 見た目が華やか 【デメリット】 大きな容量が必要 |
エクセル | 【メリット】 膨大なデータをまとめられる 【デメリット】 その場で書けないと2度手間 |
アプリ | 【メリット】 カロリーや栄養素の計算が自動 【デメリット】 退会したらデータが消える |
手書きメモ
記録と言えばまず思いつくのが手書きのメモ。
自分が見やすいようにカスタマイズができるし、思い付いた事や補足情報をササッと書き込む事もできます。
頑張った軌跡が冊数という形で目に見えるので、達成感を得られやすいのも良いポイントですね。
一方、デメリットは常に手帳とペンを持ち歩く必要がある事。
混んでるお店ではちょっと開き辛いですし、家に帰ったら毎回カバンから取り出さないといけません。
すでに手帳を使う習慣がある人におすすめの方法です。
写真
食べた物を写真に撮るというのも簡単にできる記録方法の1つです。
基本的には撮った時間も一緒に記録されますし、編集でカロリーなどを書き込む事もできます。
見た目が華やかになって記録が楽しくなってくるのも良いポイントですね。
デメリットは大きな容量を使ってしまうこと。
最近のスマホではそれほど気にならないかもしれませんが、毎日5枚ほど撮っていたら、ほんの1〜2ヶ月で1GBを超えてしまいます。
パソコンに取り込むか削除するなどして、容量を確保しておきましょう。
エクセル
エクセルを使うメリットは、膨大なデータをコンパクトにまとめられる所です。
手帳のようにかさばる事なく、写真よりも少ない容量で記録できます。
合計値の計算やグラフの作成も簡単にできるので、データを集めたり分析したりするのが好きな人にはおすすめです。
デメリットは、食べたその場で記録できないので二度手間になること。
食事の場では手帳やスマホのメモ帳に書いておいて、家に帰ってからパソコンのエクセルにまとめる、という形になってしまいます。
ONE DRIVEやクラウドを活用して、スマホやタブレットからでも編集できるようにすると少し楽になりますよ。
アプリ
おそらく最も楽で誰にでもおすすめできるのが、スマホのアプリを使った記録です。
基本無料で使えるのに、バーコード読み取りや写真解析で簡単に記録できたり、栄養バランスのアドバイスまでしてくれるアプリもあります。
シンプルに記録だけ付けたいなら「ハミング」が、栄養素の計算やアドバイスも一緒に受けたいなら「あすけん」がおすすめです。
デメリットは、退会すると今までのデータが見れなくなってしまうこと。
スマホを変える時は会員IDやパスワードを忘れないようにしましょう。
まずは1週間、口にした物全てを記録する

記録方法が決まって、準備ができたら早速実践!
まずは難しい事は考えず、普段通りに生活しながら、口にしたものを全て記録してみましょう。
3食のご飯はもちろん、一口つまんだチョコや、自動販売機で買ったジュース、口臭対策で噛んだガムなども全て記録します。
慣れるまでが一番大変なので、最初はカロリーまで調べなくても大丈夫です。
体重、食べた物、食べた時間の3つだけ忘れずに記録してください。
それだけでも「無意識にこんなに食べてたんだなぁ」という事が分かってきます。
この「気づき」こそがレコーディングダイエットで一番大切なポイント!
後々のカロリー計算などは、余裕ができた時にすれば良いおまけ要素でしかありません。
1週間ほど続けてみて、ストレスが大きすぎると思ったら記録する方法を変えてみましょう。
無理なく続けられる事が重要です。
慣れてきたらカロリーや栄養素も調べる

記録する生活に慣れてきたらカロリーや栄養素も調べてみて、もう少し具体的に太る原因を探ってみましょう。
買ってきた商品ならパッケージに成分表が書いてあるのですぐに分かります。
自炊や外食でカロリーや栄養素がひと目で分からないという時は「カロリーSlism」というサイトが便利です。
料理ごとのカロリーや栄養素を調べる事が出来ますし、複数の料理を選んで合計値を表示させる事もできます。
350mlビール2本でご飯1杯と同じくらいのカロリーがあったり、カレー1杯より豚の角煮の方がカロリーが少なかったりと、意外なカロリー事情を知ることができますよ。
普段食べてる物のカロリーがなんとなくつかめてきたら、1日に摂るカロリー量の目安を設定しましょう。
大人が1日に消費するカロリーは、大体1800〜2000kcalくらいです。
摂取カロリーを1300〜1500kcalに抑えれば、1日あたり500kcalの差を作ることができます。
1kgの脂肪を落とすのに7200kcalの消費が必要なので、大体1ヵ月で2kgの脂肪が落とせる計算です。
ただし、キレイにやせるためには食べる量が少な過ぎてもいけません。
必要な栄養素が得られないので、脂肪以外も減ってヒョロヒョロになってしまうからです。
最低でも基礎代謝分の1000〜1200kcalくらいは摂るように心がけましょう。
ここまで続けられていれば、新しいことを知って記録を付けることがどんどん楽しくなってきますよ。
失敗しないためのポイント4つ
基本的には食べた物を記録するだけというとても簡単なレコーディングダイエットですが、その効果をより高めるために押さえておきたいポイントが4つあります。
- 毎日同じタイミングで体重を量る
- 他の項目はお好みで無理のない程度に
- 別のダイエットと併用しない
- 完璧を求めない
毎日同じタイミングで体重を量る
毎日の変化を正確に記録するために、体重は毎日同じタイミングで測定しましょう。
体重が増減する要因は脂肪だけではありません。
ご飯を食べればその分体重は増えるし、トイレに行けば出した分体重は減ります。
そのため、お風呂の後やご飯の前のように、同じ時間・同じ条件下で体重を量らないと本当にダイエットの効果が出ているのかが分からないのです。
おすすめは朝起きてトイレに行った後。
起きたばかりなら胃の中は空っぽですし、トイレに行って余分なものを出すことで、より正確に体の重さだけを量る事ができますよ。
他の項目はお好みで無理のない程度に
ダイエットに関係ある項目はカロリーだけではありません。
栄養素、運動量、お通じ、月のもの等々、記録しようと思えばいくらでも記録する事ができます。
余裕があってもっと詳しく調べたいと思えたらもちろん手を広げても良いですが、無理をしてまでやらなくても大丈夫です。
先ほども書いた通り、レコーディングダイエットで一番大切なのは今の食生活を知って原因に気付く事。
記録する事自体が目的になって、生活の改善がおろそかにならないように気を付けましょう。
別のダイエットと併用しない
レコーディングダイエットをする時は、糖質制限や置き換えダイエットなど、別のダイエットを一緒に行ってはいけません。
レコーディングダイエットで大事なのは、記録を通して気付きを得て「普段の生活の」改善点を見つける事。
そのため、ダイエット中の「特殊な」「期間限定の」生活を記録しても意味がないのです。
記録と振り返りが出来ていれば、自然と気を付けようとする意識が芽生えてきますよ。
記録を続けている内にいつの間にか普段の食生活が改善されて体重が減っていくのが理想です。
完璧を求めない
継続する事はとても大切ですが、覚えていて欲しいのが「継続する=毎日毎食抜けなく完璧に記録しないといけない」という訳ではないという事です。
例えば、飲み会ではお喋りしながら数時間かけて色々な食べ物を摘まむので、何をいつどれ位食べたかなんて分かりません。
そういう時は「飲み会でたくさん飲み食いした」くらいの書き方でも良いのです。
完璧を求めたせいでストレスになり、記録をやめてしまうくらいなら、たまに抜けが出ても良いので気楽に続けていきましょう。
ただし、自分に嘘を付くのだけはやめてください。
誰かに提出する訳でもなく、どうせ自分しか見ないのですから、見栄を張っても意味が無いです。
わざとおやつの記入を抜いたり、カロリーを小さく見積もったりせず、自分に正直に記録をしてくださいね。
まとめ
レコーディングダイエットについて、効果ややり方、ポイントなどをまとめてご紹介しました。
【レコーディングダイエットはこんな人におすすめ!】
- マメで記録を取るのが楽しいと感じる人
- ダイエットしてもイマイチ結果が出ない人
- 食事習慣を改善したい人
- 食べ物のカロリーについて詳しくなりたい人
【失敗しないためのポイント】
- 毎日同じタイミングで体重を量る
- 他の項目はお好みで無理のない程度に
- 別のダイエットと併用しない
- 完璧を求めない
今の自分を見つめ直すレコーディングダイエットは、太る原因を探るのにとても適したダイエットです。
太る原因が分かっていないと、たとえやせる事ができたとしても、すぐにリバウンドして元の体重に戻ってしまいます。
全ての食事を記録するのはなかなか大変ですが、厳しい食事制限やキツイ運動に比べれば楽なものです。
記録するのが楽しくなってきたらこっちのもの。
いきなり変わったダイエットに手を出すのではなく、まずは今の自分とじっくり向き合ってみましょう。