「運動や食事管理を頑張ってるのに中々やせられない…」
「最近便秘でいつもお腹が張っている…」
こうした状態は、もしかしたら腸内環境が荒れている事が原因かもしれません。
腸は食べた物から栄養素を吸収するための大事な臓器。
腸の調子が全身の体調に直結する事も多々あります。
腸活とは、食事や行動を通して腸の調子を整え、体調の改善や肥満の抑止を目指す活動のことです。
今回は、腸活でやせられる理由を解説すると共に、腸活におすすめな食べ物や行動も紹介していきますよ。
【腸活ダイエットはこんな人におすすめ!】
- 便秘が長く続きやすい
- ストレスや緊張を感じやすい
- 発酵食品が嫌いではない
腸活がダイエットに良い理由
そもそも何故、腸内環境が整うとダイエットに効果的なのでしょうか?
腸には、大きく分けて3つの役割があります。
- 食べた物を消化し、栄養素を吸収する(小腸)
- 残りカスから水分を吸収し、便にして排出する(大腸)
- 口から侵入してきた病原細菌から身を守る
体脂肪の元になる糖質や脂質も、腸から吸収されて始めて体内に入ってきます。
腸活によってこの腸からの吸収をコントロールすることで、血糖値や血中コレステロール値の急上昇を防ぎ、肥満から身を守ることができるのです。
また、腸は脳ともたくさんの神経でつながっており、「第二の脳」とも呼ばれるほど重要な臓器です。
よく緊張したらお腹の具合が悪くなったり、便がしっかり出ると心までスッキリしたりしますよね。
腸内環境が整うと、脳から余分な脂肪を貯め込まないようにする指令が出るので、新しい脂肪が付きにくくなり、やせやすい体へと変化させる事ができます。
そんな腸内環境を整える鍵となるのが、腸の中に住んでいる腸内細菌たちです。
腸内にいる3種類の菌

腸の中には何百種類もの細菌たちが、集団を作って住んでいます。
その数はなんと百兆個以上!
顕微鏡で腸内を覗くと、この集団がまるでお花畑(フローラ)のように見えることから、腸内細菌がたくさん集まっている様子を「腸内フローラ」と呼ぶこともあります。
そんな腸内細菌には大きく分けて3つの種類があります。
善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌(ひよりみきん)です。
代表的な菌 | 効果 | |
善玉菌 | 乳酸菌 ビフィズス菌 | 病原菌から身を守る 腸内を弱酸性にする 便通を良くする ビタミンを作る |
悪玉菌 | ウェルシュ菌 黄色ブドウ球菌 | 有害物質を生み出す 腸内をアルカリ性にする ガスを発生させる |
日和見菌 | バクテロイデス フィルミクテス 連鎖球菌 | 有利な方に味方する |
日和見菌は腸内細菌の約7割を占めており、善玉菌と悪玉菌の戦いの中で有利な方に味方する性質を持っています。
そのため悪玉菌が有利になってしまうと、大勢の日和見菌が悪玉菌の味方になって一気に腸の中が荒れてしまうのです。
腸活では、いかにして腸の中を善玉菌に有利な環境に持って行くかが大切になってきます。
腸に良い食べ物
善玉菌を悪玉菌より優勢にするには、善玉菌の数を増やすことが大切です。
善玉菌の数を増やすには、生きた善玉菌が含まれた食べ物を食べる方法(プロバイオティクス)と、善玉菌のエサになるものを食べる方法(プレバイオティクス)の2つがあります。
食べ物で摂る善玉菌といえば乳酸菌、そして代表的な善玉菌のエサが食物繊維とオリゴ糖です。
乳酸菌が多い食べ物

乳酸菌は善玉菌の一種。
エサを食べると乳酸を出して腸内を弱酸性にし、善玉菌が住みやすい環境にしてくれます。
食べ物で得た乳酸菌はずっと住み着くわけでは無く、一定時間しか効果はありませんが、その死骸も他の善玉菌のエサとなってくれるので、腸内環境の改善には欠かせません。
乳酸菌が多く含まれている食べ物といえば、発酵食品です。
大豆を発酵させてできる味噌や醤油、納豆に、牛乳を発酵させてできるチーズやヨーグルト、他にも酢やみりん、ぬか漬け、キムチ、塩辛などなど、発酵食品には色々あります。
さらに、同じヨーグルトでも含まれている乳酸菌は様々。
現在発見されている乳酸菌だけでも400種類以上あると言われており、人によって体に合う乳酸菌は違います。
色々試してみて、自分の体に合いそうな食べ物を見つけましょう。
また、生きた善玉菌を摂る方法には、整腸剤を使うという方法もあります。
便秘薬は腸を刺激して排便をうながす薬ですが、整腸剤は乳酸菌やビフィズス菌が含まれており、腸内環境を整えるための薬です。
こちらも体に合う合わないがあるので、2週間程度続けてみて、自分の体に合うかどうか確かめるようにしましょう。
食物繊維が多い食べ物

食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」の2種類があります。
どちらも便秘の改善には効果的で腸に良いのですが、善玉菌のエサとしてより活躍してくれるのは水溶性食物繊維の方です。
玄米や固い野菜類には不溶性食物繊維の方が多いので、これらだけでは食物繊維の効果を完璧に発揮することができません。
水溶性食物繊維は、オクラや海藻、キノコ、里芋など、ネバネバした食べ物に多く含まれていますよ。

ちなみに、便が硬くて便秘だという場合には、腸内の水分量を増やすマグネシウムも摂ると良いです。
マグネシウムは木綿豆腐に多く含まれています。
お味噌汁なら豆腐も海藻も発酵食品の味噌も一緒に摂れるので、便秘解消にはおすすめです。
オリゴ糖が多い食べ物

オリゴ糖は少糖類と呼ばれる糖の一種ですが、人の体内ではほとんど消化できず、吸収されないまま大腸まで届く変わった糖です。
腸まで届いたオリゴ糖は善玉菌のエサになり、腸内環境を整える助けとなってくれます。
また、オリゴ糖はほのかな甘味を持ちながらも血糖値をほとんど上げないため、砂糖の代わりの甘味料としても人気です。
ただし、オリゴ糖配合のお菓子でもカロリーは据え置きですし、他の砂糖も一緒に使われている事が多いので、食べ過ぎには注意しましょう。
野菜では玉ねぎや大豆、ゴボウなど、果物ではバナナに多く含まれています。
腸に良い行動

腸内環境の改善に役立つのは食べ物だけではありません。
生活の中でちょっとした行動を追加するだけでも、腸の活動に良い効果を与えることができます。
運動で腸に刺激を与える
運動をしたりお腹周りをマッサージしたりして腸に外から刺激を与えると、大腸のぜん動をうながして便通を良くすることができます。
お腹をなでる時は大腸の形に合わせて時計回りになでるのがポイントです。
運動は筋トレなどの激しいものよりも、軽いウォーキングなどの方が効果があります。
朝起きたら1杯の水を飲む
起床したらまずコップ1杯の水を飲むようにしてみましょう。
眠っていた胃や腸が刺激されて目を覚まし、水の重みを感じて大腸のぜん動が活発になります。
起床直後は6時間くらい飲まず食わずの状態なので、胃腸に負担をかけるような固形物や刺激物はNGです。
そのため、朝はコーヒーという人もまずは先に1杯水を飲む事をおすすめします。
腸に悪い行動

腸内環境を良くするには、善玉菌を増やすだけでは無く、悪玉菌を増やさないようにする事も大切です。
次のような活動は、悪玉菌を増やして腸内を荒れさせる原因となるので、できるだけ避けるようにしなければなりません。
大量の砂糖や肉を食べる
砂糖やお肉のたんぱく質は悪玉菌にとって格好のエサです。
日常的にたくさん食べていると、悪玉菌が増える原因となってしまいます。
焼き肉や揚げ物、クリームたっぷりのパフェなどをよく食べてるなと思ったら、野菜や発酵食品の割合を増やすように心がけましょう。
酒やたばこを毎日のように呑む
アルコールやたばこのニコチンは、腸内細菌にもダメージを与えることが分かっています。
お酒は量を減らして水を一緒に飲む、休肝日をもうけるなどの工夫をしましょう。
たばこは自分で吸うだけではなく、副流煙にも注意が必要です。
まとめ
腸活がダイエットに効果的な理由と、腸活におすすめな食べ物や行動について紹介してきました。
【腸活がダイエットに良い理由】
- 糖質や脂質の吸収を抑えることができる
- 脳から余分な脂肪を貯め込まないようにする指令が出る
【腸に良い食べ物・行動】
- 乳酸菌・食物繊維・オリゴ糖が多い食べ物を食べる
- 運動やマッサージで腸に刺激を与える
- 起床直後に1杯の水を飲む
もちろん、腸に良い食べ物を食べればそれだけでやせるという訳ではありません。
新たな脂肪が付きにくくなるだけなので、今ある脂肪を減らすためには運動やバランスの取れた食事にも気を付ける必要があります。
1日の中で1品追加する程度でも良いので、長く続ける事を優先して少しずつ腸の中をキレイにしていきましょう。