「塩分の摂りすぎは良くない」ということは分かっているけど、実際にはどれくらい摂りすぎているのかというと、よく分からないですよね。
それに、塩分を控えようとすると味付けが薄くなってしまい、濃い味に慣れてしまった舌では満足できない料理になってしまいがちです。
そこで今回は、塩分控え目でもおいしい料理を作るコツを6つご紹介します。
少しずつ薄味の料理に舌を慣れさせていき、健康的な食事を習慣付けていきましょう。
薄味でもおいしい料理を作るる6つのコツ
薄味でもおいしい料理を作るコツは次の6つです。
- 酸味を加える
- 薬味を加える
- コクを加える
- 旨味を加える
- 香ばしさを加える
- とろみを加える
①酸味を加える

お酢や柑橘系の果物による酸味には、料理に清涼感を与えるとともに、食材の味を引き立てて食べやすくする効果があります。
「良い塩梅」という言葉もあるように、塩味と酸味(梅)はバランスが良いと互いを引き立て合う効果があるので、酸味を加えておいしくしようとすれば自然と食塩の量を減らすことができるのです。
しかも、酸味の元である酢酸やクエン酸は健康面で見ても優秀な効果を持っています。
酢酸には血圧を下げる効果があることが分かっていますし、クエン酸は食べたものからエネルギーを作る「エネルギー代謝」の中心とも言える栄養素です。
塩分を摂りすぎると血圧が上がってしまうので、お酢を使った料理やソースは特におすすめですよ。
②薬味を加える

ねぎやにんにく、生姜などの薬味や、ハーブ、スパイスといった香辛料たちは、独自の香りや辛味を持っているので、塩分を抑えた料理でもおいしくいただくことができます。
ねぎ、生姜、大葉、みょうが、にんにく、山椒、大根おろし、唐辛子などなど色々な薬味があるので、料理によってうまく使い分けましょう。
細かく刻んで使うとより香りや風味がきわだちますよ。
ただし、商品として売られているミックスハーブやカレー粉などには食塩が含まれていることもあるので、原材料名をしっかり確認してから買う事が大切です。
③コクを加える

一言で「コク」というとふわっとしていますが、ビーフシチューなどの煮込み料理はよくコクがあっておいしいと言いますよね。
「コク」をもう少し詳しく言い換えると「甘味・旨味・酸味・辛味・苦味などが合わさった複雑な味」です。
カレーにハチミツやリンゴを足して甘味と酸味を足したり、野菜炒めにゴマ油を足して旨味を足したりすると、味の複雑さが増してコクのある料理になります。
コクが足りないと感じる時は何かしらの味が抜けている時なので、調味料を駆使してより複雑な味を目指しましょう。
④旨味を加える

旨味の元はグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸のような旨味成分です。
こうした旨味成分は、昆布やかつお節、きのこ類、甲殻類、骨などに含まれています。
顆粒出汁は使い勝手が良く便利ですが、塩分量を抑えたいなら自分で出汁を取るのが一番です。
昆布やかつお節で一から取ったお出汁は、角がなく柔らかい口当たりでとてもおいしいですよ。
温かいお出汁を飲むだけでも空腹感を紛らわせることができるので、ダイエットを始めたばかりの頃は特におすすめです。
⑤香ばしさを加える

焼いたり揚げたりすることで付く焦げ目は、料理に香ばしさを与えてくれます。
香ばしい料理は塩味が無くても風味がよく、焦げ目がついた野菜などはちょっとしたポン酢や醤油でおいしく食べることができますよ。
サクッとした食感が楽しめるのもポイントです。
⑥とろみを加える

オクラや海藻を使ったネバネバサラダって、味は薄いのにおいしく感じますよね。
料理にとろみやネバネバを加えると、舌の上に留まる時間が増えるので、薄い味でもおいしく感じることができます。
餡かけや山芋などを使う他、野菜のすりおろしを使うと料理にとろみを与えることができますよ。
塩分を摂りすぎたらカリウムで排出しよう
塩分を摂りすぎたなぁと思った時に意識して摂りたい栄養素が、カリウムです。
カリウムはナトリウムとセットで細胞の浸透圧を保ち、水分量を一定にする働きをしていて、多すぎるナトリウムの排泄を促す効果も持っています。
カリウムはほとんどの食材にも含まれているので基本的に不足することはないのですが、塩分(ナトリウム)を摂りすぎた時は意識して多めに摂って、過剰なナトリウムを外に出すようにしましょう。
カリウムが 多い食材 | カリウムの量 (100gあたり) |
---|---|
乾燥ひじき | 6400mg |
アボカド | 720mg |
ほうれん草 | 690mg |
納豆 | 660mg |
里芋 | 640mg |
枝豆 | 590mg |
日本人は塩分摂取量が多い
そもそも日本人の塩分摂取量は世界の先進国に比べても高めとなっています。
健康的な料理として人気の日本食ですが、実は塩分量が多い料理でもあるんです。
醤油や味噌には大さじ1杯あたり2g以上の食塩が含まれていますし、梅干しやたくあんといった保存食にも食塩が使われていますからね。
塩分摂取量の基準も日本は少しゆるめで、WHO(世界保健機構)では1日5g未満なのに対し、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満となっています。
その上で、令和元年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、日本人の塩分摂取量は成人男性が10.9g、成人女性が9.3gです。
日本食は大事な文化とはいえ、健康的に暮らすためにはさらに塩分量に注意していきたいですね。
1日あたりの食塩相当量の目標量
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1~2歳 | 3.0g未満 | 3.0g未満 |
3~5歳 | 3.5g未満 | 3.5g未満 |
6~7歳 | 4.5g未満 | 4.5g未満 |
8~9歳 | 5.0g未満 | 5.0g未満 |
10~11歳 | 6.0g未満 | 6.0g未満 |
12~14歳 | 7.0g未満 | 6.5g未満 |
15歳以上 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
まとめ
薄味でもおいしい料理を作る6つのコツを紹介してきました。
- 酸味を加える
- 薬味を加える
- コクを加える
- 旨味を加える
- 香ばしさを加える
- とろみを加える
塩分は人が生きるために必要不可欠なものではありますが、現代の日本人は基本的に塩分を摂りすぎています。
今回紹介したコツをうまく利用して薄味に舌を慣れさせて、健康的な食生活を送っていきましょう。