「ビタミンCが足りてない」
「不足しているたんぱく質を補給しよう」
「食物繊維をもっと摂ろう」
食生活やダイエットについて調べると、こういった言葉をものすごく目にしますよね。
でも、本当にそうでしょうか?
普段の食事で十分なのにプロテインなどで追加のたんぱく質を摂ってしまうと、余分なカロリーを摂取することになりかねません。
広告文句に惑わされないように、自分で栄養バランスを調べる癖をつけていきましょう。
今回は、食べた物の栄養バランスを調べる方法と、その例として、和風・洋風・偏った食事の3パターンの栄養素を見ていきたいと思います。
食べた物の栄養バランスを調べる方法
単純に「(食べ物の名前) 栄養素」で検索しても良いですが、1つのサイトでまとめて調べられると便利ですよね。
そこでおすすめのサイトが「カロリーSlism」です。
食材1つ1つだけではなく、「ご飯+味噌汁+卵焼き」のようにまとめてカロリーや栄養素の量を計算してくれます。
また、グラム数を書き換えればその量で再計算してくれるので、自分の食べる量に合わせて調べることができますよ。

参照:カロリーSlism
含まれている栄養素のランキングを知りたい時は、文部科学省の「日本食品標準成分表」も使えます。
こちらはエクセルデータとなっているので、栄養素ごとに多い順に並び変えることができます。
意外な食材にたくさん含まれていることが分かったりして結構面白いです。

また、スマホアプリでは「あすけん」がおすすめです。
カロリーSlismのように選ぶだけでカロリーや栄養素を自動計算してくれる上に、管理栄養士からのアドバイスももらえます。
手軽さ、見やすさがかなり優れているので、毎日使うなら手軽なアプリ版を試してみましょう。
1日の食事から摂れる栄養素3パターン
調べ方が分かったところで、実際に「カロリーSlism」を利用して1日の食事で摂れる栄養素を調べてみましょう。
今回は「和風」「洋風」そして「偏った食事」の3パターンで調べてみます。
グラフでは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)を参考にして、18~49歳の女性の1日の推奨量を100%としています。
和風な3食

【朝食】ご飯160g、鮭の塩焼き86g、豆腐とわかめの味噌汁204g、大根サラダ126g
【昼食】かき揚げうどん457.2g
【夕食】ご飯200g、生姜焼き152g、わかめの味噌汁160g、キャベツの千切り50g、和風ドレッシング17g、たくあん10g

脂質が控えめで健康的に見える和風な献立でしたが、食物繊維やカルシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンCなどといった栄養素が足りていませんね。
小鉢などでもう少し野菜を食べる必要があるみたいです。
鉄はレバーや貝、カルシウムは煮干し、ビタミンAはにんじん、ビタミンCはピーマンなどにたくさん含まれていますよ。
また、ナトリウム(食塩)が300%超えと意外と多いです。
減塩みそやお出汁をうまく活用して、なるべく食塩の量を減らしましょう。

モリブデンが多いのは白ご飯のせいですが、過剰に摂取したモリブデンはすぐに尿中に排泄されるため健康に害を及ぼす心配はありません。
ビタミンDとビタミンB12が多いのは鮭のせいです。
ビタミンDは100μg以上(1100%以上)になると体がだるくなったり、食欲不振や嘔吐などの症状が出てきますが、このくらいなら問題ありません。
ビタミンB12も特に過剰症の心配はないようです。
洋風な3食

【朝食】トースト1枚、ベーコンエッグ102.5g、ポテトサラダ92.6g、コーンスープ180g
【昼食】ミートソーススパゲッティ393.7g、オニオンスープ178.1g
【夕食】煮込みハンバーグ386.6g、クラムチャウダー180g、バゲット24g

ベーコンやハンバーグと、脂質多めの献立だったのでカロリーオーバーしてしまいました。
一方で、ミートソースやクラムチャウダーなど、色々な具材を使って作る複雑な料理も多いので、栄養バランスは比較的良いようにも見えますね。
マンガンは植物性食品を、ヨウ素は海藻や魚介類を食べていれば不足の心配はありません。
ビタミンDは鮭やしいたけに多い他、日光を浴びることでも体内で合成されます。
朝起きたらまずはカーテンを開けて、日の光をいっぱいに浴びましょう。
偏った3食

【朝食】カップラーメン90g
【昼食】コロッケパン146g、あんぱん80.7g、牛乳200ml
【夕食】唐揚げ弁当400g

カップラーメン、菓子パン、弁当という偏った3食ですが、今までの和食・洋食に比べて明らかに栄養素が足りていませんね。
それなのにカロリーは100%の1800kcalに達しており、脂質も大きくオーバーしています。
広告でよく足りていないと言われているたんぱく質・食物繊維・鉄・カルシウム・ビタミンCも見事に全部足りていません。
忙しくてこのような食生活しかできてないという場合は、置き換え食品やサプリメントに頼るのも有りかもしれませんね。
しかしその場合は足りてない栄養素を正確に把握してないといけないので、結局は食生活を改めた方が早そうです。
まとめ
実際の食事で摂れる栄養素を調べる方法と3つのパターンの例をご紹介しました。
偏った食事では本当に栄養素が足りていませんでしたが、和食・洋食でしっかり食事を取っていれば意外と栄養バランスの心配をしなくても良さそうでしたね。
大事なのは肉・魚・野菜など色々な種類をまんべんなく食べることです。
ただ1つ注意点として、今回の例は3食のみで、おやつは一切含んでいません。
ここにケーキやジュース、スナック菓子などが追加すれば、糖質や脂質を摂りすぎてカロリーオーバーになるのも当然です。
同じものばかり食べないように、買い物では普段通らない棚をじっくり見たり、外食では違うメニューを食べてみたりしてみましょう。